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契約社員と同一職務の正社員の手当の格差が争われた事例(平30・06・01 最二小判)

事案の概要

1.Xは、Y社に有期労働契約によってトラック運転手として雇用され、その有期労働契約は、6か月毎に更新されている。
2. Y社のトラック運転手の職務内容は、無期契約社員と有期契約社員との間で同じである。ただし、有期契約社員には就業場所の変更や出向の予定はされておらず、人材登用も予定されていない。
3.Y社において、有期契約社員には、無事故手当、作業手当、給食手当、皆勤手当、住宅手当が支給されない。通勤手当は、無期契約社員については通勤距離に応じた額であるが、有期契約社員については3,000円の定額であった。
4.Xは、Y社における無期契約社員と有期契約社員との間における諸手当の相違は労働契約法20条に反するとして、差額の支払いを求めた。

 

判決の骨子

その1

無事故手当、作業手当、給食手当、皆勤手当、通勤手当は、安全輸送による顧客信頼確保、特定作業への対価、食事費補助、業務円滑化のための皆勤奨励、通勤費補助というそれぞれの趣旨・性質に照らし、有期契約社員へ不支給又は低額支給は不合理である。

 

その2

住宅手当は、住宅費補助の趣旨で支給されるものであり、広域転勤が予定される無期雇用社員のみに支給することは不合理でない。

引用/厚生労働省サイト