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テレワークにおけるメンタルヘルス対策

新型コロナウイルス感染症の影響で導入が進んだテレワークは、労働者にとっては通勤時間の節約や働く時間や場所の有効な活用でワーク・ライフ・バランスの実現につながり、企業にとっては優秀な人材の確保や業務の効率・生産性の向上等のメリットがあります。

しかし、テレワークにおいては、上司や部下とのコミュニケーションが取りづらくなるといった課題もあります。

また、自宅での作業は家庭内の環境の変化が原因で集中力が散漫になり、家事や育児との両立が難しくなるといった問題も発生します。

このような問題が顕在化することで、テレワーク下においては、従来のメンタルヘルス対策では十分に対応できない場合もあります。そのため、企業においてはテレワークに対応した適切な労務管理やメンタルヘルス対策の推進が求められています。

さらに、テレワークを長期間継続することで、社会的孤立感やストレスなどのメンタルヘルスの問題が生じる可能性があります。そのため、企業は従業員のメンタルヘルスケアに積極的に取り組み、心身の健康を維持することが重要です。

具体的には、適度な休憩や運動、コミュニケーション手段の確保、ストレス解消の方法の提供などが挙げられます。

 

テレワークは今後も広がりを見せることが予想されます。

そのため、企業においてはテレワークが従業員の働き方に与える影響を十分に認識し、メンタルヘルス対策を含めた適切な対応が求められます。

 

引用/株式会社月刊総務サイト

 

テレワークにおけるストレス要因

 

テレワークが進んだ現代において、自宅で仕事をすることによるストレス要因が多数報告されています。

その中でも特に大きなストレス要因は、「孤独感や社会的孤立」「コミュニケーションの不足」「家庭内の環境の変化」「ワーク・ライフ・バランスの崩れ」「情報セキュリティの不安」の5つが挙げられます。

 

  1. 孤独感や社会的孤立

自宅で作業をする場合に、同僚や上司と直接顔を合わせることができず、孤独感や社会的孤立感が生じることがあります。対策としては、定期的なビデオ会議やチャットツールの活用、または外出して人と交流を持つことが挙げられます。

 

  1. コミュニケーションの不足

直接会って話すことができないため、コミュニケーションが不足し、情報共有や意見交換が十分に行われないことがストレス要因となります。対策としては、コミュニケーションツールの活用や、週に一度はオンラインでのミーティングを設けることが挙げられます。

 

  1. 家庭内の環境の変化

家族やペットなどが周囲にいるため、集中力が散漫になることがあります。また、家事や育児など、家庭内の仕事との両立が困難になることがストレスとなる場合があります。対策としては、仕事と家事・育児のバランスを考えたスケジュール管理や、家族に理解を求めることが挙げられます。

 

  1. ワーク・ライフ・バランスの崩れ

仕事とプライベートの境界線が曖昧になり、仕事時間が増えたり、プライベートの時間が確保しにくくなることがストレス要因となります。対策としては、定時で仕事を切り上げることや、運動や趣味など、プライベートな時間を確保することが挙げられます。

 

  1. 情報セキュリティの不安

自宅での作業によって情報漏えいやセキュリティのリスクが高まることが挙げられます。オフィスでの作業では、情報の取り扱いやセキュリティ管理に関するルールや慣行が明確に定められている場合が多いですが、自宅での作業ではそれらのルールが存在しなかったり、従業員自身がルールを破ってしまったりする可能性があります。

また、自宅で使用しているWi-Fiのセキュリティが弱い場合や、自宅のパソコンやスマートフォンにウイルスが感染している場合なども、情報セキュリティに関するリスクが高まることが考えられます。そのため、企業側は従業員に対して適切な情報セキュリティ対策を行うことや、従業員自身もセキュリティに対する意識を高めることが求められます。

 

 

テレワークにおけるメンタルヘルス対策

 

テレワーク下でのメンタルヘルス不調を予防するためには、3つの「予防」を円滑に行うことが重要です。具体的には、ストレスチェック制度の活用、メンタルヘルスケアを推進するための教育研修や情報提供、職場環境の把握と改善が挙げられます。メンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な措置を取る「二次予防」、メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰の支援を行う「三次予防」も大切です。

一次予防:

・ストレスチェック制度を活用し、メンタルヘルス不調の早期発見に努める。

・メンタルヘルスケアを推進するための教育研修や情報提供を行い、従業員がメンタルヘルスについて正しい知識を持ち、自己管理ができるようにする。

・職場環境や労働条件の把握と改善を行い、メンタルヘルス不調の原因となる要因を最小限に抑える。

 

二次予防:

・メンタルヘルスケアを推進するための教育研修や情報提供を行い、従業員が自身や同僚のメンタルヘルス不調を早期に察知できるようにする。

・メンタルヘルス不調への気づきや対処のための相談窓口を設置し、従業員が気軽に相談できる環境を整える。

 

三次予防:

・メンタルヘルスケアを推進するための教育研修や情報提供を行い、職場復帰に向けた支援を行う。

・職場復帰における支援を行い、従業員が安心して職場復帰できるようにする。

 

さらに、4つの「ケア」を効果的に推進することで、メンタルヘルス対策を進めることができます。

 

4つのケア

セルフケア(労働者自身によるケア)

・ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解をもつこと

・ストレスチェックなどの活用でストレスへの気づきを持つこと

・ストレスへの対処方法を知っていること

 

労働者自身によるセルフケアでは、ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解やストレスチェックなどの活用によるストレスへの気づき、ストレスへの対処方法の学習が大切です。

 

 

ラインによるケア(管理監督者によるケア)

・職場環境等の把握と改善を行うこと

・労働者からの相談に対応すること

・職場復帰における支援を行うこと

 

ラインによるケアでは、管理監督者が職場環境の把握と改善、労働者からの相談対応、職場復帰における支援を行います。

 

 

事業場内産業保健スタッフ等によるケア

・具体的なメンタルヘルスケアの実施、企画、立案を行うこと

・個人の健康情報を適切に取扱うこと

・事業場外資源とのネットワークの形成やその窓口を提供すること

・職場復帰における支援を行うこと

 

事業場内産業保健スタッフ等によるケアでは、具体的なメンタルヘルスケアの実施や企画・立案、個人の健康情報の取扱い、事業場外資源とのネットワークの形成やその窓口、職場復帰における支援を行います。

 

事業場外資源によるケア

・情報提供や助言を受けること

・ネットワークの形成を行い、相談窓口を確保すること

・職場における支援を行うこと

 

事業場外資源によるケアでは、情報提供や助言を受けることができ、ネットワークの形成や職場における支援を受けることができます。

 

 

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