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労働条件の不利益変更にあたるケースとは

一般的に、企業は一方的に労働条件を変更することはできません。

賃金や労働時間の変更など、労働条件の悪化については、雇用主が自由に行うことはできず、労働者との合意または一定の手続きが必要です。

労働契約法第8条では、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる」と定められています。従って、労働条件を変更する際には、使用者と労働者の間で十分な話し合いが必要です。これにより、トラブルが発生する可能性を低くすることができます。

 

 

労働条件の不利益変更例

「労働条件の不利益変更」とは、従業員にとって不利益な形で労働条件が変更されることを指します。以下が不利益変更にあたるケースです。

所定労働時間を延長するが賃金は変更しない:

雇用主が従業員の所定労働時間を増やすが、賃金に変更を加えずに維持する場合です。例えば、週の労働時間が35時間から40時間に延長され、従業員は同じ給与でより長い時間働かなければなりません。

 

休暇や休憩時間を減らす:

雇用主が従業員の休暇や休憩時間を削減する場合です。例えば、従来の1時間30分の昼休みが1時間に短縮されたり、特別休暇の日数が減少する場合があります。

 

福利厚生を撤廃する:

雇用主が従業員に提供していた福利厚生を廃止する場合です。

 

退職金の支給を中止する:

雇用主が従業員に対する退職金の支給を中止する場合です。これは従業員が定年退職する際に受け取るべき退職金が削減または廃止されることを意味します。

 

手当を支給しない、または減額する:

雇用主が従業員に支払っていた手当を停止するか、減額する場合です。例えば、通勤手当や住宅手当の支給が中止される場合です。

 

成果に基づいた賃金体系に移行し、年功序列型の賃金体系を変更する

雇用主が従来の年功序列型の賃金体系から成果に基づいた賃金体系に変更する場合です。これにより、従業員の昇給やボーナスの基準が変わり、給与の上昇が難しくなる場合があります。

 

年齢による賃金のカットを行う

雇用主が従業員の年齢に応じて賃金を削減する場合です。一部の会社では、年齢が上がるにつれて給与を減らす基準を採用していることがあります。例えば、定年退職後に再雇用された従業員の給与を若年層と比較して削減する場合です。

 

昇給の周期を変更して、定期昇給制度を廃止する:

雇用主が従業員の昇給の周期を変更し、従来の定期的な昇給制度を廃止する場合です。例えば、年に一度の昇給から、数年に一度またはパフォーマンスに応じた昇給に移行することがあります。これにより、従業員の昇給ペースが減少し、給与の成長が鈍化する可能性があります。