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健康経営とは

健康経営とは

健康経営とは、企業が従業員の健康管理に取り組むことで、経営成績を向上させるための取り組みです。この考え方は、アメリカの臨床心理学者ロバート・ローゼン博士によって提唱されました。

健康経営を導入することで、従業員の健康状態を維持することができ、生産性を向上させることができます。また、従業員の健康状態が良好になることで、メンタル不調者の減少や長期休業者数の低下が期待されます。

また健康経営を導入することで、「健康経営優良法人」として認定される可能性があります。この認定は、経済産業省が設けた評価制度であり、健康経営に取り組む企業のブランドイメージを向上させることができます。求職者や取引先からの評価も高くなり、社会的信用や信頼を高めることができます。

従来日本の企業は、従業員の健康管理は各個人に任せてきましたが、近年企業は従業員が健康であることが、生産性を高める上で非常に重要であると認識するようになってきました。健康経営に積極的に取り組む企業が増えています。従業員の健康維持に取り組むことで、企業の成長に貢献することが期待されています。

 

健康経営が注目される理由

■少子高齢化による労働力人口の減少

現在、日本は少子化によって生産年齢人口(15歳〜64歳の人口)が急激に減少しています。少子化は、すぐに解決できる問題ではありません。今後も生産年齢人口は確実に減少していくと予想されており、企業を持続的に発展させるには、従業員が心身ともに健康で長く働くことが重要であることがわかります。

 

■高齢化

日本の生産年齢人口が急減しているため、企業は今後、労働力を確保するために様々な方法を模索しなければなりません。

 

その中でも、高齢者の就労奨励が一つの解決策として挙げられます。2025年4月からは、中小企業も含めた全ての企業で、定年退職を60歳から65歳に引き上げることが義務付けられます。

このため、職場の平均年齢が高齢化することが予想されます。

高齢な社員は健康上の問題が生じやすいため、健康で快適に働ける職場環境の整備が急務となっています。ただし、高齢者の採用に際しては、健康状態や技能レベルを適切に判断し、過度な負担をかけないようにすることが重要です。

 

■ワーク・ライフ・バランスの推進

従業員に長時間労働を強いて休みを与えない企業は、士気低下や健康悪化の原因となります。また、日本の労働者の大半が家庭やプライベートの時間を残せない状況では、未婚化や少子化が進行することは明らかです。

政府は働き方改革を推進する中で、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指しています。

ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と生活の両方を充実させるためのバランスの取れた働き方や生き方のことです。ワーク・ライフ・バランスは、従業員の仕事とプライベートのバランスの取れた健康的な生活の実現に大きく貢献します。

 

健康経営導入のメリット

■労働生産性の向上

健康経営を推進することで、従業員の能力を最大限引き出せるようになり、全社的に労働生産性が向上します。

健康状態の悪い職場では、全体的な労働生産性が著しく低下することがあります。従業員が過労やメンタル不調で欠勤・休職すると、他の従業員がその仕事を担うことになり、業務負担が増加し、他の従業員の健康状態が悪化し、結果として、より多くの従業員が離職する可能性があります。これにより、負の連鎖が発生することもあります。人手不足が原因で倒産することもあります。

 

■離職率の低下と人材の定着

健康経営を実施することで、従業員の離職率を減少させ、人材の定着を促進できるというメリットがあります。

健康やメンタルに不調を抱える従業員が多い職場では、自然と離職率も高くなってしまいます。

従業員が早期に退職すると、入社から退職までの給与・賞与・社会保険料や以下のようなコストや、新しい従業員を採用するコストなど多くのコストが発生します。

 

ワーク・ライフ・バランスと健康経営を推進し、仕事とプライベートの両立ができる職場環境を整えることで、離職率を減少させることができます。

従業員の退職によるコスト・損失も最小限に抑えることができ、人材の定着により業務の知識・経験・ノウハウを蓄積することができるため、労働生産性も向上すると考えられます。

 

■求職者にアピールできる

健康経営の取り組みを積極的にPRすることで、求職者を募集しやすくなります。

一部の大企業・有名企業を除いて、多くの企業は一般的な知名度が低いため、ハローワークや求人サイトでも他社との差別化が難しい状況にあります。

こうした状況に対して、健康経営の取り組みを告知し、社員を大切にしている企業であることをアピールすれば、他社と差をつけることができます。

また、社員からの紹介によるリファラル採用も促進できます。社員が働きやすく満足している環境であることが前提であるため、リファラル採用に成功することができます。

 

■企業イメージの向上

社員の健康管理に力を入れていることを、ホームページなどで宣伝することで、ブランドイメージを高めることができます。

また、健康経営優良法人や健康宣言事業に認定されることで、その企業が実施している健康経営の取り組みが公表され、表彰やプレスリリースなども行われる場合があります。特に、広告や宣伝費用に余裕のない中小企業にとっては、会社の知名度を上げることがコストをかけずに実現できる、大きな機会です。

 

 

 

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